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わくわく着物~着物の愉しみ~ 臥竜亭へようこそ!

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11月の茶席

■□■柿色の色無地に黒地竜田川模様袋帯■□■

 秋、特に11月の代表的な柄は何と言っても「竜田川」。流水に紅葉を散らした模様のことを言います。
 竜田川は奈良県北西部の生駒郡を流れる実在の川で、上流を生駒川といい、南下して下流で大和川に注ぐ、全長約16kmの小流です。11月下旬ともなれば、川辺からせり出すように枝を繁らせた楓が真っ赤に色づき、水面が美しい紅葉の葉に彩られる…こんな絵のような光景が見られるそうです。そしてその美しい光景は、平安の昔から歌人達にも愛されました。「ちはやぶる神世も聞かず竜田川からくれないに水くくるとは」。百人一首でお馴染みの在原業平の一首は、学生時代に暗記させられましたね。
 今回は実りの秋をイメージした柿色の一ツ紋付き色無地に、黒地竜田川模様袋帯を合わせてみました。11月は「茶人正月」といって、5月から10月まで風炉に釜を掛け湯を沸かしたのが、座敷に切った炉で沸かすように、茶室のしつらいが変わり、それにあわせて新茶を使い始める「口切り」という、お茶人にとって大事な行事のある月です。ですので、品格のあるコーディネートを心がけました。
 さて、先の「ちはやぶる…」ですが、この歌を題材にした落語があります。そのお題もずばり「竜田川」。この歌の意味を八っつあんに尋ねられご隠居が、知ったかぶりして解説するのですが、さて…、というお噺。私は中学生の頃、ホームルームで「特技発表」の時間に、これを一席お伺いをいたしました。我ながらヘンな中学生だー(笑)。


11月茶席の着物


竜田川帯




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